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木型は、主に落雁用とねりきり用があり、特別なものは木型職人に注文して作ってもらっていました。 この木型は、らくがん用のものです。
現在残っている図柄は、「富士山」 「鯛」「ぼたん」の3つです。
お盆のお供え用として5個組で箱詰めにして売った他、引き出物としてのご用命も多く、何千個も作ったこともあったそうです。
らくがんは基本的に白いもので、木型にへらで押し付けるようにしてたねを入れ、ひっくり返して取り出し、乾燥させて作ります。
色のついたらくがんを作る時は、模様にそれぞれ色のついたたねを 入れてから、白いたねをかぶせて作ります。
今でこそらくがんは日常のお菓子ではありませんが、甘いものが貴重だった昔は、贈り物にしても頂き物にしても嬉しいお菓子だったようです。